ちびまめは車の内装を作る工場で働いています。
だいぶ前から作業着がボロボロになっていました。
機械の汚れや生地の摩耗、そしてズボンの裾の破け。
大分前に、新しい作業着を購入してくるよう、ちびまめに話していました。
入社時に会社から上下2着ずつ配布、その後は購入で給与天引きの様です。
でも、すでに何ヶ月も経っています。
「作業着頼んだ?」と聞いても知らんぷりするばかりです。
どうやら、総務課に『トントン、失礼します』と入り、話しをすることが大きな壁のようです。
コミュニケーションに関しては、誰もが出来ることが、ちびまめにはひどく難しい事なのです。
私は洗濯する度にくたびれた作業着を眺め、こんなボロボロを着てる人いるのかなぁとため息をついていました。
でも、私たち親は、ちびまめが入社してからは、会社の事は絶対にちびまめに世話を焼かないと決めています。
社会人なので、自分でやらせないと、です。
数ヶ月、黙って待ちました。
そして先日、ちびまめがめでたく新しい作業着を持ち帰ってきました!
やった!言えたのね!!
ところが。
その後、洗濯をしてみてびっくり。
なんと、新しい作業着は上下夏服でした。
ボロボロなのは冬服です。
しかし、やっと話した時には、もう、季節が変わって、総務課ではてっきり夏服だと思ったのでしょうね。
ちびまめも、冬服とは言わなかったのでしょう。
誰を責める事もできません。
またいつか、購入出来る時を夢見て過ごします。
ところで、ちびまめがミシンでズボンの裾上げを済ませていました。
助かります。
高等養護学校時代、一年間、被服を選択していたお陰です。